Webサイトの構造設計|ビジネス成果につながるサイト設計の考え方と進め方

吉成 俊治
代表取締役 / 上級ウェブ解析士

「気づいたらページ数がどんどん増えて、サイト全体の整合性がとれなくなってしまった」
「担当者が変わるたびにコンテンツが追加されてきたが、ユーザーがどこに何があるかわからない構造になっている」
「リニューアルしたいが、どこから手をつければいいかわからない」
こうした悩みをお持ちの方は、意外と多いのではないでしょうか。Webサイト(ホームページ)は、最初に制作してからも更新・追加を繰り返すなかで、気づかないうちに「構造的な問題」を抱えるようになっていくことがあります。
Webサイトの構造設計とは、サイト全体をどのようなページ構成・階層・導線で組み立てるかを設計することです。建物に例えると「間取り設計」にあたる工程です。どれだけ内装(デザイン)や家具(コンテンツ)にこだわっても、間取りが悪ければ住みにくい家になってしまうように、構造設計が適切でなければ、デザインやコンテンツをいくら充実させても成果につながりにくくなります。
構造設計はユーザー体験(UX)だけでなく、SEO(検索エンジン最適化)にも直結します。Googleはサイトの構造を読み取り、どのページが重要かを評価します。構造が整っていないサイトは、Googleが正しく評価できず、検索順位が上がりにくくなってしまうこともあります。
このコラムでは、Webサイトの構造設計の基本的な考え方と具体的な進め方を、専門用語をかみ砕きながら解説します。これから制作・リニューアルを検討している方にも、現在のサイトの問題を整理したい方にも、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
Webサイトの構造設計とは何か
構造設計で決めること
Webサイトの構造設計では、大きく以下の3つを決めます。
- サイト全体の構成:Webサイト内にどのようなページを作るか(トップ・サービス・事例・会社概要・採用・ブログなど)
- 階層構造:ページをどのような深さ・順序で配置するか(どのページが上位で、どのページがその下に属するか)
- 導線設計:ユーザーがどのページからどのページへ移動するか、その流れをどう設計するか
この3つが適切に設計されていると、ユーザーは「必要な情報に迷わずたどり着ける」体験が得られ、Googleは「このWebサイトのどのページが重要で、どういうテーマで構成されているか」を正確に理解できます。


構造設計がうまくいっていないWebサイトの特徴
構造設計の問題は、Webサイトの外見からは見えにくいですが、ユーザーやGoogleにとっては大きな影響があります。よくある問題の特徴を整理すると、以下のようなものが挙げられます。
- トップページから3クリック以上しないと主要なページにたどり着けない
- 似たような内容のページが複数あり、どれを見ればいいかわからない
- ページ間のリンクが少なく、訪れたページから次にどこへ行けばいいかわからない
- カテゴリやメニューの分類が、ユーザーの視点ではなく社内の部署構成に沿っている
- ページを増やし続けた結果、階層が深くなりすぎてGoogleにもユーザーにも届きにくくなっている
これらの問題は、Webサイトが「作る側の都合」で設計されてきた結果として起きることが多いです。構造設計は常に「ユーザーがどう使うか」を起点に考えることが重要です。
構造設計の前に決めておくべきこと
構造設計を始める前に、まず以下の3つを明確にしておく必要があります。これらが決まっていない状態で構造設計を始めると、後から「やっぱりこのページは必要だった」「このカテゴリの分け方は違う」という修正が繰り返されることになります。
1:サイトの目的とKGI・KPIを定義する
KGI(Key Goal Indicator:最終的に達成したい目標)とKPI(Key Performance Indicator:目標達成に向けた中間指標)を設定します。たとえば「月間問い合わせ件数を20件にする(KGI)」「そのために月間1万PVを達成する(KPI)」「問い合わせフォームへの到達率を5%以上にする(KPI)」といった具体的な数値を掲げてみます。
目的とKGI・KPIが定まると、「このサイトにはどのページが必要で、どのページに力を入れるべきか」という判断基準ができます。
2:ターゲットユーザーとカスタマージャーニーを描く
カスタマージャーニーとは、ターゲットユーザーがサービスを知ってから問い合わせ・購買に至るまでの「旅のルート」を可視化したものです。「どんな言葉で検索して」「どのページから入ってきて」「どういう順番で情報を集めて」「どのタイミングで行動するか」を描くことで、必要なページと導線が見えてきます。
たとえば、比較検討段階のユーザーには「事例ページ」や「料金ページ」が重要な判断材料になります。課題認識段階のユーザーには「お役立ちコラム」が入口になりやすいです。このように、ユーザーのフェーズごとに必要なページが異なるため、カスタマージャーニーを描いてからページ構成を考えることが効果的です。


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3:競合サイトの構成を分析する
競合他社のWebサイトがどのようなページ構成・カテゴリ設計をしているかを確認することも重要です。競合が力を入れているページカテゴリは、そのジャンルのユーザーが求めていることを反映している可能性があります。また、競合にあって自社にないコンテンツカテゴリは、SEO上の機会損失になっていることもあります。
ただし、競合をそのまま真似るのではなく、「自社の強みや独自性をどう構造に反映するか」を考えながら参考にすることが大切です。
また、一言で「競合」と言っても、ビジネス上の「競合」が必ずしもWebサイト上で適切な訴求・施策を行っているとは限りません。競合サイトを分析する上で、調査・分析を行うWebサイトの選定は非常に重要です。見本とするべきWebサイトを運用できているかどうかを適切に判断しましょう。
ユニマの場合、以下の3つの基準で競合サイトの選定を行っております。
- SEO観点:適切なSEO対策が行われているか
- コンテンツ観点:必要なページ・必要なコンテンツが揃っているか
- UI・UX観点:必要な情報にたどり着きやすいか、情報が頭にすんなりと入ってくるか

Webサイトの構造設計の基本ステップ
ステップ1|コンテンツインベントリを作る
コンテンツインベントリとは、サイト内に存在するすべてのページをリストアップした棚卸し表のことです。既存サイトのリニューアル時に特に重要で、「現在どんなページがあるか」「各ページのアクセス数・評価はどうか」「残すべきか・統合すべきか・削除すべきか」を整理します。
新規制作の場合も、「作るべきページのリスト」として機能します。ページタイトル・URL・役割・担当者・優先度を一覧化しておくと、制作の全体像が把握しやすくなります。
ステップ2|サイトマップを作成する
サイトマップとは、Webサイト全体のページ構成と階層関係を図で示したものです。「どのページがトップ直下にあり、どのページがその下の階層にあるか」を視覚的に整理します。
サイトマップを作成する際の基本的な考え方は、「ユーザーが直感的に理解できるカテゴリ分類」です。たとえば「サービスA」「サービスB」という会社側の呼称ではなく、「課題別」「業種別」「規模別」など、ユーザーが自分ごととして捉えやすい分類にすることで、UXとSEOの両面で効果が高まります。
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ステップ3|階層の深さを設計する
階層の深さとは、トップページから何クリックでそのページにたどり着けるかを指します。一般的に、重要なページはトップから3クリック以内にたどり着けることが望ましいとされています。
階層が深くなりすぎると、ユーザーが目的のページにたどり着く前に離脱しやすくなるだけでなく、Googleのクローラー(検索エンジンがサイトを巡回するためのプログラム)もページを発見・評価しにくくなります。
逆に、何でもトップ直下に並べてしまうと、メニューが膨大になって却って混乱を招きます。「重要度が高く、多くのユーザーが求めるページは浅い階層に」「詳細情報や補足的なページは深い階層に」という原則を意識することが大切です。
ステップ4|内部リンク設計を行う
内部リンクとは、Webサイト内のページ同士をつなぐリンクのことです。ナビゲーションメニューだけでなく、コンテンツのなかに自然な形で設置する「テキストリンク」も含まれます。
内部リンクはUXとSEOの両面で重要な役割を果たします。UXの観点では「次に見てほしいページへスムーズに誘導する」役割があります。SEOの観点では「リンクを多く受けているページほどGoogleから重要とみなされやすい」という評価に影響します。
重要なページへ向かう内部リンクを意識的に設計することで、そのページのSEO評価を高めることができます。たとえば、複数のコラム記事から「サービス詳細ページ」へのリンクを設置することで、サービスページへのGoogleの評価を集中させる効果が期待できます。
ステップ5|ナビゲーションを設計する
ナビゲーションとは、ユーザーがWebサイト内を移動するための案内表示です。主に以下の種類があります。
●グローバルナビゲーション:Webサイト全体で共通して表示される主要メニュー。どのページにいても同じ場所に表示される
●ローカルナビゲーション:特定のカテゴリ内のページ間を移動するためのメニュー。カテゴリに入ったときだけ表示される
●パンくずリスト:「ホーム > サービス > サービスA」のように、現在のページの位置を階層で示すナビゲーション
●フッターナビゲーション:ページ下部に設置する補足的なリンク集
ナビゲーション設計で大切なのは、「どのページにいても自分がどこにいるかがわかる」「行きたいページへの経路が予測できる」という状態を作ることです。特にパンくずリストは、ユーザーの位置把握を助けるだけでなく、Googleへの階層情報の伝達にも役立ちます。
事例紹介
<具体例1> IT企業I社:情報設計の見直しで回遊率が向上し、商談につながるページが増加
あるIT企業I社は、複数のサービスラインを持つBtoB企業です。サービスごとにページを制作してきた結果、「どのサービスが自社の課題に合うかわからない」「サービス間の関係性が見えない」という状況になっていました。また、コラム記事は充実していたものの、記事からサービスページへの導線がなく、コラムを読んだユーザーがそのまま離脱してしまうケースが多発していました。
問題の診断
サイトマップを整理すると、サービスページが会社側の組織構成に沿って分類されており、ユーザー(顧客)が自分の課題から探せる構造になっていないことが明らかになりました。また、コラム記事とサービスページの間に内部リンクがほとんど設置されておらず、Googleからの評価もコラムに分散したまま、サービスページに集まっていませんでした。
実施した施策
- サービスページの分類を「組織別」から「課題別(コスト削減・業務効率化・売上拡大)」に再設計
- 各課題カテゴリのランディングページ(入口ページ)を新設し、関連サービスへの導線を整備とランディングページへのSEO評価集中を図る
- コラム記事の末尾に、記事テーマと関連するサービスページへの内部リンクを追加
- グローバルナビゲーションを「課題から探す」「業種から探す」「サービス一覧」の3軸で再設計
- パンくずリストを全ページに設置
結果
施策実施から約3ヶ月後、サービスページへのアクセス数が以前の1.6倍に増加しました。特にコラム記事経由でサービスページに遷移するユーザーが大幅に増え、資料請求・問い合わせへの転換率がコラム経由ユーザーのほうが直接流入ユーザーより高いことも判明しました。「課題から探す」というナビゲーション軸を設けたことで、「自分ごと」として情報を探しやすくなったというユーザーからのフィードバックも得られました。
※上記でご紹介した事例は実際に行われた改善対応をもとに構成したイメージ例になっています。
<具体例2> EC事業J社:カテゴリ構造の見直しでSEO評価が集中し、自然検索流入が増加
あるEC事業を展開するJ社は、商品カテゴリのページが乱立しており、似たようなカテゴリページが複数存在する状態でした。その結果、Googleがどのページを評価すべきか判断できず、似たカテゴリ同士が検索結果で競合してしまう「カニバリゼーション(共食い)」が起きていました。
問題の診断
カテゴリページのURLとコンテンツを分析すると、たとえば「革財布」「本革財布」「牛革財布」という3つの似たカテゴリページが別々に存在し、それぞれが類似のキーワードで検索上位を争っている状態でした。Googleから見ると「どのページを評価すべきかわからない」という状況で、3ページに分散した評価を統合すれば上位表示できるはずのキーワードが、どれも中途半端な順位にとどまっていました。
実施した施策
- 類似カテゴリページを整理・統合し、メインカテゴリページとサブカテゴリページの役割を明確化
- 統合されたページへのリダイレクト設定(古いURLにアクセスしてきたユーザーを新しいURLへ自動転送する処理)
- カテゴリページの内部リンク構造を見直し、親カテゴリ→子カテゴリ→商品ページの流れを整備
- 各カテゴリページのタイトルとコンテンツを、対象ユーザーの検索意図に合わせて再設計
結果
施策実施から約4ヶ月後、整理・統合したカテゴリページの検索順位が大幅に改善し、自然検索からの流入数が1.4倍に増加しました。カニバリゼーションが解消されたことで、Googleの評価が一点に集中し、上位表示を実現できたケースです。
このケースが示すのは、「むやみにページ数を増やすこと」よりも「構造を整理して評価を集中させること」のほうが、SEO上の効果が高い場面があるということです。
まとめ:構造設計は「最初の計画」と「定期的な見直し」が重要
WEBサイトの構造設計は、制作の最初に行うべき工程ですが、同時に「定期的に見直し続けるもの」でもあります。事業の変化・ユーザーニーズの変化・SEOのトレンド変化に合わせて、構造は更新していく必要があります。
構造設計で押さえておきたいポイント
- ユーザーの課題・行動を起点にページ構成・カテゴリを設計する(社内の都合を持ち込まない。ユーザーファースト。)
- 重要なページはトップから3クリック以内にたどり着けるよう、階層を浅く保つ
- 内部リンクを意識的に設計し、重要ページへの評価を集中させる
- 似たテーマのページは統合を検討し、カニバリゼーションを防ぐ
- パンくずリストを設置し、ユーザーとGoogleの双方にサイト構造を伝える
- 構造は一度作って終わりではなく、データを見ながら定期的に見直す
サイト構造の設計・見直しでお悩みの場合は、ぜひご相談ください
「現在のサイトの構造がどうなっているかを整理したい」「リニューアルを機にサイト構造から見直したい」「SEOを意識した構造設計の進め方がわからない」——そんな方のご相談を、ユニマではお受けしています。
ユニマは、ビジネスの目的・ターゲットユーザーの行動・SEOの観点を組み合わせたサイト構造設計を得意としています。現状のサイトの課題整理から、サイトマップ・導線設計・内部リンク設計まで、成果につながる構造設計をご支援します。
まずはお気軽にご相談くださいませ。ご相談は無料です。
※ユニマでは無理な営業行為は行っておりません。
監修者情報

吉成 俊治
1978年 福島県郡山市生まれ。カルチュア・コンビニエンス・クラブグループにてTSUTAYA事業、Tポイント(現Vポイント)事業、DBマーケティング事業を経験し業務設計やシステム開発に携わる。2023年に株式会社ユニマ設立。企業のWebマーケティング支援をメインに、プロジェクトマネジメント、SEOコンサルティング業務を行う。
● 上級ウェブ解析士
● IMA(Internet Marketing Analyst)認定ホルダー



