ホームページのCVR改善方法|アクセスを成果につなげる考え方と実践ポイント

吉成 俊治

ホームページのCVR改善方法|アクセスを成果につなげる考え方と実践ポイント

「アクセス数は増えているのに、問い合わせや資料請求が増えない」

「広告費をかけてサイトに集客しているのに、成果につながっていない気がする」

こうした悩みをお持ちの方は、意外と多いのではないでしょうか。SEO対策や広告運用によってサイトへの流入を増やすことに注力する一方で、「訪れたユーザーがどれだけ行動してくれているか」というCV(コンバージョン)の視点が後回しになってしまうケースは、Webマーケティングの現場でよく見られます。

CVR(コンバージョン率)とは、サイトを訪問したユーザーのうち、問い合わせ・資料請求・購買・予約などの目標行動を取った人の割合のことです。計算式はシンプルで、「コンバージョン数 ÷ 訪問者数 × 100」で算出します。たとえば月間1,000人が訪問して10件の問い合わせがあった場合、CVRは1%ということになります。

※関連記事:CVRとは?目安やCTRとの違いも含めて基本から解説

このCVRを改善することは、広告費やSEOへの投資を増やさずに成果を伸ばせる、費用対効果の高いアプローチです。アクセス数が同じでも、CVRが1%から2%に改善されれば、問い合わせ件数は単純に2倍になります。

このコラムでは、CVR改善の基本的な考え方から、よくある改善ポイント、具体的な事例までを体系的に解説します。「集客はできているのに成果につながらない」とお感じの方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

CVRが低い原因はどこにあるのか

CVRの低下は「複数の要因が重なって起きる」

CVRが低い原因はひとつではなく、複数の要因が重なって起きていることがほとんどです。大きく分けると

  • ユーザーの期待と実際のページ内容がずれている
  • ページの使い勝手に問題がある
  • 行動を促す導線が設計されていない

という3つの観点から問題を探ることができます。

重要なのは、「なんとなくデザインを変えてみる」「ボタンの色を変えてみる」といった感覚的な対応ではなく、データに基づいてどこに問題があるかを特定したうえで、改善施策を実施することです。闇雲に手を入れると、むしろCVRが下がってしまうリスクもあります。

CVRを下げる主な要因

現場でよく見られるCVR低下の要因を整理すると、以下のようなものが挙げられます。

  • ページの読み込みが遅く、ユーザーが離脱してしまっている
  • 訪問者が求めている情報にたどり着けず、迷って離脱している
  • スマートフォンで問い合わせフォームが使いにくく、途中で断念している
  • CTA(コール・トゥ・アクション:「お問い合わせはこちら」などの行動を促すボタンや文言)が目立たない、または少ない
  • サービスや料金に関する情報が不足していて、判断できずに離脱している
  • 会社やサービスへの信頼感が伝わらず、行動に踏み出せていない
  • フォームの入力項目が多すぎて、送信前に離脱している

これらの要因は、Google アナリティクスやGoogleサーチコンソールといったデータ分析ツール、またはMicrosoft Clarityなどのヒートマップツール(ページのどこが多くクリックされているか・どこまでスクロールされているかを可視化するツール)を使って特定していくことができます。

 CVR改善のために見直すべき7つのポイント

CVRを改善するためには、ユーザーがサイトを訪れてから行動するまでの「動線」全体を見直す必要があります。ここでは、特に効果が出やすい7つのポイントを解説します。

1: CTAの設計を見直す

CTA(コール・トゥ・アクション)とは、ユーザーに次の行動を促すボタンや文言のこと。「お問い合わせはこちら」「資料を無料でダウンロード」「まずは相談してみる」といったものが代表例です。

CTAで見直すべきポイントは主に3つあります。


  1. 「配置」……常にアクセスできる場所に設置されているか?文脈に応じて適切な場所に設置されているか?
  2. 「視認性」……ボタンが背景に溶け込んでしまっていないか?読みにくくないか?色やサイズで目立っているか?
  3. 「文言」……「送信する」のような曖昧な表現より、「無料で相談してみる」のようにアクションのメリットが伝わる言葉になっているか。

これらを見直すだけでCVRが改善するケースは少なくありません。

2: ファーストビューで「伝わる」設計にする

ファーストビューとは、ユーザーがページを開いた瞬間にスクロールなしで見える範囲のことです。ユーザーはファーストビューを見て、「このページは自分の知りたいことに答えてくれそうか」を瞬時に判断します。

ファーストビューで伝えるべきは、「何のサービスか」「誰に向けたものか」「どんな価値があるか」の3点です。キャッチコピーが曖昧だったり、インパクトはあるが内容が伝わらない画像を大きく使っていたりすると、ユーザーは続きを読む前に離脱してしまいます。スマートフォンとパソコン、それぞれのファーストビューで情報が適切に伝わっているかを確認しましょう。

3: 問い合わせフォームを最適化する

問い合わせフォームはCVの最終関門です。フォームに問題があると、検討意欲の高いユーザーでさえ入力直前の段階で離脱してしまいます。

よくある問題として、入力項目が多すぎることやスマートフォンで入力しにくい設計になっていること、エラーメッセージがわかりにくく再入力が面倒なこと、などが挙げられます。フォームは「必要最低限の項目に絞る」「スマートフォンで快適に入力できる」「送信後のサンクスページで次のステップを案内する」という3点を意識するだけで、CVRが改善することが多いです。

4: 信頼性を高めるコンテンツを充実させる

ユーザーがサービスへの問い合わせや購買を決める前には、必ず「この会社・サービスは信頼できるか」という判断が行われています。この信頼感を高めるコンテンツが不足していると、興味はあっても行動に踏み出せないまま離脱することにつながります。

信頼性を高める要素として効果的なのは、導入実績・事例の掲載、お客さまの声(テキスト・動画)、代表者・担当者の顔写真と紹介文、メディア掲載・受賞歴などです。「実績があること」「どんな人が対応するか」「他の顧客はどう感じているか(第三者評価)」を具体的に示すことで、行動への心理的なハードルを下げられます。

5: ページの読み込み速度を改善する

ページの表示が遅いと、それだけでユーザーは離脱します。Googleの調査によれば、モバイルでのページ読み込みが3秒を超えると、離脱率が大幅に上昇するとされています。

表示速度の改善には、画像ファイルのサイズ圧縮、不要なスクリプト(プログラムの動作を記述したコード)の削除、ブラウザキャッシュ(一度読み込んだデータを一時保存して次回の表示を速くする仕組み)の活用などが有効です。Googleが無料で提供している「PageSpeed Insights」というツールでページの速度スコアと改善提案を確認することができます。

6: ユーザーが「次に何をすべきか」迷わない導線を作る

サイト内の導線が複雑だったり、どこに進めばいいかわからないページ構成になっていたりすると、ユーザーは目標行動にたどり着く前に疲れて離脱してしまいます。

「トップページ >サービス詳細 >事例 >料金 >問い合わせ」のように、ユーザーの意思決定プロセスに沿った自然な導線を設計することが重要です。各ページの末尾に「次に見てほしいページへのリンク」を設置したり、パンくずリスト(現在のページ階層を示すナビゲーション)を整備したりすることで、回遊率とCVRの両方を高められます。

7: A/Bテストで仮説を検証する

A/Bテストとは、ページのデザインや文言の異なるふたつのバージョンを用意し、実際のユーザーにランダムに表示してどちらの成果が高いかを比較する手法です。「CTAのボタンを赤にすべきか緑にすべきか」「キャッチコピーはAとBのどちらが響くか」といった仮説を、感覚ではなくデータで検証できます。

A/Bテストを継続的に実施することで、サイトはユーザーの反応に基づいて少しずつ最適化されていきます。一度の改修で完璧を目指すより、小さな仮説検証を繰り返すことがCVR改善の王道です。

これらポイントをふまえて、次に2社の改善例をあげて紹介していきます。

<具体例1>人材サービス会社E社:フォーム最適化とCTA改善でCVRが2.3倍に

人材サービスを展開するE社のコーポレートサイトは、月間のアクセス数が安定して確保できていたものの、採用担当者からの問い合わせ数がなかなか増えない状況が続いていました。

問題の診断

データを詳しく確認すると、問い合わせページへのアクセスはあるものの、フォームの送信完了率が非常に低いことがわかりました。ヒートマップで確認すると、フォームの途中でページを閉じているユーザーが多数いることが判明。フォームを実際にスマートフォンで操作してみると、入力欄が小さくて押しにくく、必須項目が15項目もあり、エラーが出たときにどこを直せばいいかわかりにくい設計になっていました。

また、サービス詳細ページにCTAボタンが1箇所しかなく、ページ下部まで読まなければ問い合わせに進むことができない状態でした。

実施した施策

  • 問い合わせフォームの必須項目を15項目から7項目に削減
  • スマートフォンでの入力しやすさを改善(入力欄の大型化、キーボードの種類の最適化)
  • エラーメッセージを具体的でわかりやすい表現に改善
  • サービス詳細ページのファーストビュー・中間・下部にCTAボタンを追加
  • CTAボタンの文言を「お問い合わせ」から「まずは無料で相談してみる」に変更

結果

施策実施から約6週間後、問い合わせフォームの送信完了率が改善前の2.3倍に向上しました。アクセス数は変わっていないにもかかわらず、月間の問い合わせ件数が大幅に増加。特に、CTAボタンの文言変更(「まずは無料で相談してみる」)の効果が大きく、「気軽に相談できそうだと感じてクリックした」という声も寄せられました。

このケースが示すのは、集客への投資を増やさなくても、サイト内の「行動しやすさ」を改善するだけで成果は大きく変わるということです。

<具体例2>BtoB向けソフトウェア会社F社:信頼コンテンツの充実とページ導線の見直しで受注率が向上

BtoB(企業間取引)向けのソフトウェアを提供するF社は、資料請求数はある程度確保できていたものの、資料請求後の商談化率・受注率が低い状態でした。「資料を請求してもらっても、なかなか次のステップに進んでもらえない」という課題を抱えていました。

問題の診断

サイトの内容を詳しく分析すると、機能説明のページは充実している一方、「なぜこのサービスを選ぶべきか」を伝えるコンテンツが不足していることがわかりました。導入実績の記載が「累計○社」という数字のみで、具体的な事例がない。担当者の顔が見える情報がなく、安心感を伝えるコンテンツが乏しい。料金体系が不透明で、問い合わせしなければ目安すらわからないという状態です。

「機能はわかったが、本当に自社に合うかどうかを判断するための情報が足りない」と感じたユーザーが、資料請求後に検討を止めてしまっている構造だったわけです。

実施した施策

  • 業種別・課題別の導入事例ページを新設。Before/After形式で成果を掲載し、ユーザーに判断材料を提供。
  • 担当者紹介ページを作成。顔写真・経歴・担当者からのメッセージを掲載することで信頼感、顔が見える感を訴求。
  • 料金ページに「スタートプランの目安価格」を明示。比較しやすい料金表を整備することでユーザーの疑問を解消。
  • 「よくある質問」ページを充実させ、導入前の不安を解消するコンテンツを追加。
  • 資料請求後のサンクスページに「次のステップ(無料デモの案内)」を明記し、「ユーザーが次に何をすべきか」を迷わないように改善。

 結果

施策実施から3ヶ月後、資料請求後の商談化率が改善前と比べて約1.7倍に向上しました。「料金の目安が事前にわかったことで、比較検討がしやすくなった」「事例を見て自社と近い状況だと感じ、相談しようと思った」という声が営業担当者へのヒアリングで多く聞かれました。

このケースが示すのは、CVR改善はフォームやボタンだけでなく、「ユーザーが判断するために必要な情報を、適切なタイミングで届けること」が本質だということです。

※上記でご紹介した事例は実際に行われた改善対応をもとに構成したイメージ例になっています。

まとめ|CVR改善は「データを見ながら継続する」ことが大切

CVRの改善は、一度の施策で劇的に変わるものではありません。データを確認し、仮説を立て、改善を実施し、効果を検証するというサイクルを継続的に回すことで、少しずつ成果につながっていきます。

以下はCVR改善における取組みのながれの一例です。

STEP
離脱ページの特定と離脱ポイントの確認

Googleアナリティクス等の計測ツールを用いて、離脱が多いページ・フォームの送信完了率を確認する。
離脱が多いページが特定できたら、Microsoft Clarity等のヒートマップツールを用いてユーザーがどこで離脱しているかを確認する。

STEP
CTAの改善

CTAの配置場所や配置数を見直し、ユーザーがフォームにアクセスしやすい環境を作る。
問い合わせ完了までの背中を押すような文言に変更する。

STEP
フォームの最適化(EFO:Entry Form Optimization)

入力項目の見直し、入力をしやすくる、エラーメッセージを分かりやすくする。

STEP
ページの構成とコンテンツの見直し

ページの内容がユーザーの検索意図に合致しているものなのかを確認する。ファーストビューを改善し、「このページを読むことでないが解決できるのか」を明確にする。

STEP
信頼性向上

「会社情報」「実績」「お客様の声」など、サービスの信頼性を向上させるためのコンテンツを充実させる。

STEP
検証・改善の継続

A/Bテストで仮説を検証しながら最適化を継続する。

大切なのは、「アクセスを集めること」と「アクセスを成果に変えること」の両輪を同時に意識することです。どれだけ集客を強化しても、CVRが改善されなければ、かけたコストに見合う成果は得られません。
一方、CVRが改善されてもアクセス数が落ち込んでしまうと全体のCV数は伸び悩んでしまいます。

CVR改善でお悩みの場合は、ぜひご相談ください

「どこから手をつければいいかわからない」「自社のサイトのどこに問題があるのか把握できていない」「改善施策を実施したが効果が出ていない」――そんな方のご相談を、ユニマではお受けしています。

ユニマは、アクセス解析・ヒートマップ分析・ユーザー行動データをもとに、CVR改善の優先順位を特定し、UI/UXの改善提案から実装まで一貫してサポートします。集客施策と成果改善を両輪で支援できる体制が、ユニマの強みのひとつです。

まずは現状のサイトについて、お気軽にご相談くださいませ。ご相談は無料です。

※ユニマでは無理な営業行為は行っておりません。


参考文献・出典

監修者情報

吉成 俊治

1978年 福島県郡山市生まれ。カルチュア・コンビニエンス・クラブグループにてTSUTAYA事業、Tポイント(現Vポイント)事業、DBマーケティング事業を経験し業務設計やシステム開発に携わる。2023年に株式会社ユニマ設立。企業のWebマーケティング支援をメインに、プロジェクトマネジメント、SEOコンサルティング業務を行う。
● 上級ウェブ解析士
● IMA(Internet Marketing Analyst)認定ホルダー

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